シニアの新NISAはどうする?

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新NISAが始まって早1年、どうしています?
2024年1月から始まった新NISA、年初からガンガン入れている人や、8月の暴落?で手じまいした人や、人それぞれと思います。巷(ちまた)では、SBI証券や楽天証券のネット証券会社で口座を開設し、オルカン(全世界株)やS&P500(アメリカ株)を定期積立(それも、クレジットカードで)することが、一般的な流れかと思います。さて、我々シニアはどうしたらの良いのか?を、これから考えていきたいと思います。

NISAの基本戦略をどうするか?

まずは、どのような考え方で投資するかの立ち位置を確認し、自己の投資スタイルを認識することが、重要です。投資スタイルに問題あるなら、変更すればよいし、投資環境が変化すれば、その都度、修正していけば良いという認識です。多様な情報があふれている現在、書籍やサイト、ユーチューブで自分は何をベースにして投資をしていくのか、最初に決めた方が良いと思います。私がお薦めするのは、「山﨑元のほったらかし投資 世界一やさしい資産運用術」(宝島社)です。
山﨑元(やまざき はじめ)さんは、食道がんとの闘病をしていましたが、惜しくも、2024年1月1日に、65歳でお亡くなりになりました。東大卒業後、数々の金融機関を渡り歩き、2005年以降は楽天証券経済研究所に所属するも、金融機関に忖度のない発言で知られた経済評論家です。今回は、この本をベースに新NISAの対応を考えていきます。

具体的な投資方法は?

具体的には、①ネット証券口座を開設、②オールカントリー(eMAXIS Slim 全世界株)を買うです。
何だ!最初に言っていたことと同じではないか!という意見はあるとは思いますが、この「ほったらかし投資」は、投資額、購入タイミング、売却タイミングについて、明確な指針があることが、他の投資法とは大きく違います。
まずは基本情報として①と②を再確認します。
①ネット証券口座の開設ですが、ネット証券は「コストが安い」「営業マンがいない」といいことづくめです。加えるに、時間を選ばず取引できることや商品の選択肢も多いことも魅力です。いまや、ネット証券なくして、投資なし といった感じです。
②オルカンは、全世界株式ということで、先進国23か国と新興国24か国に分散投資できる「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果を目指して運用されるインデックスファンドです。アメリカ株が約6割で、日本株は約5%といった配分です。信託報酬は、この本が発行された2023年4月時点で、0.1144%でしたが、現在は何と、0.05775%と、とんでもないレベルになりました。
S&P500はどうなんだ?という声が聞こえてきますが、山崎さんは「S&P500だけとなると、ちょっと絞り過ぎな感じがします」とおっしゃっています。私も、S&P500は、エッジがききすぎるので、保有資産をオルカンに移行している最中(旧NISA分など)ですが、妻の新NISAは、S&P500にしています。夫婦の場合、ユーチューブとか見ていても、このパターンが多いような気がします。この辺は、好みの問題かと思います。

資産の配分はどうするの?

この本では、無リスク資産とリスク資産に分けて、無リスク資産を更に、「生活防衛資金」と「当面使わないけど減らしたくないお金」に分けます。また、リスク資産は、「将来のためにリスクを取って運用するお金」という位置づけです。
「生活防衛資金」は、銀行の普通預金に生活費の3~6か月分とし、「当面使わないけど減らしたくないお金」は、個人向け国債(変動10年)または普通預金とします。一方、「将来のためにリスクを取って運用するお金」は、インデックスファンドで、損してもいい額の3倍まで運用します。リスク資産の金額は、1年間の最大損失可能額をリスク資産への投資額の3分の1として考え、損してもいい金額の3倍までと決めます。要は投資額の3分の2に下落しても、最低1年間は耐え忍ぶ覚悟を持つことだと思います。この損失額の許容範囲は、収入・支出・扶養家族と持ち家の有り無しで、人それぞれとは思いますが、考え方は理解していた方が良いと思います。
保有金融資産を2000万円、1か月の生活費を25万円とした場合、生活防衛費は6か月で、総額150万円で、残りの1850万円をどう振り分けるかです。300万円までの損失額を許容するのであれば、リスク資産は900万円、無リスク資産は1100万円になります。このケースでは、リスク資産の比率は45%と程よい感じになっていると思います。

購入方法はどうするの?

「最適額一括」がベストです。まとまった資金を持っている人は、一括で投資することが合理的です。一方、投資資金を毎月の給料からしか捻出できない人は、積み立てがベストでしょう。
よく「積立投資こそが、有利な方法だ」ということを聞きますが、山崎さんは、疑念を呈しています。積立投資をするうえで引き合いの出される『ドルコスト平均法』ですが、これは、ゆっくりリスクを取っていいるだけであり、過去に購入しているる商品のリスクを下げる効果はない と明言されていますが、私も、激しく同意します。今回、詳細は省きますが、この捉え方ができるかが、一括購入するかの分岐点になると思います。
シニアになれば、退職金やiDeco、親からの相続、不動産の売却などで、まとまったお金が入ることが多くなるかもしれませんが、その場合、そのお金をどうするかが、大きな判断になります。上記の『一括投資』については、このブログや山崎さんのこの本だけで、腹落ちする人はほとんどいないと思いますが、腹落ちした人は、自己責任としして運用して頂ければと思います。多分、ここが、この本のキモです。

投資信託の売却はどうするの?

ほったらかし投資では、必要な時に必要な金額を売却すればいいという考えです。具体的には、老後の資金として一部を取り崩すときや、リフォームなどお金が必要になったときです。やってしまいがちなNG行動は、利益がでたから売却するや、値下がりしたから売却するです。あくまでも、お金が必要になったから売却をする。買値や価格の変化にとらわれないことが重要です。

まとめ

このほったらかし投資では、投資信託の買うところ、銘柄、購入額、購入方法、売却方法を明確にした優れた投資方法だと思います。本書では、信託報酬が最新版でないとか、iDecoの法改正が未反映などありますが、本質的な考え方は、今後も色あせることはないと思います。山﨑元さんがご存命なら、法改正のたびに改訂版を出版し、本書が日本の投資のバイブルになると思っていましたが、つくづく残念です。この本の表紙には在りし日の山崎さんのお元気な姿が大写しされています。
ここに慎んで山崎元さんに哀悼の意を表します。 

本日のシニアのコツ
 やっぱり、オルカン最高!でも、S&P500も捨てがたい



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