節約看護師りょうさんから学ぶ 定年前後のお金の手続き

お金

シニアのお金不安解消には、定年前後のお金の手続きの知識が必須です。定年前後のお金本は数多くありますが、私が敬愛する節約系ユーチューバーの節約看護師りょうさんから、待望のデビュー作が出版されました。今回はこの本をもとに年金や保険について勉強していきます。

節約系看護師りょうさんとは何者?

チャンネル登録者50万人を超えると言われる節約系ユーチューバーで、現役の看護師のかたわら、主に年金や社会保険を中心に、ためになる情報を発信しています。どこでその知識を仕入れているのか不思議になるほど、タイムリーで深い説明は只者ではありません。顔出ししては、いませんがその聞きやすいチャーミングなお声のファンも多いと思います。また、困ったときの顔アイコンもたまりません。

一度は節約看護師りょうさんのユーチューブをご覧頂ければ、お分かりのなると思います。

今回は、その節約系看護師りょうさんが、2024年12月に出版した「マンガでかんたん!定年前後のお金の手続き ぜんぶおしえてください!」(節約系看護師りょう著、山中伸枝監修)で、私がなるほどと思ったポイントを中心に定年前後のお金の手続きについて考えていきます。

今から始めよう!50代からの老後の備え

ここでは、公的年金や年金定期便、NISA、iDeCoで老後の備え方を教えてくれます。そのほかにも、「あなたに本当に必要な老後資金」があり、興味深かったです。

実際に必要な老後資金は、収入・支出の生活レベルのほか、持ち家・賃貸、健康状況、家族状況がことなるので、実際に必要な老後資金は、ひとそれぞれです。そうは、いっても、一般的な状況から推定することは、重要です。

いわゆる「老後2000万円問題」で老後資金が話題になりましたが、ここではその計算前提を深堀りしています。まず、老後2000万円問題での試算で用いられた寿命は、男性95歳、女性90歳ですが、2023年の平均寿命(男性:81.09歳、女性:87.14歳)を大きく、上回っています。一方、この資産には、入院した際の医療費や老人ホームなどの介護費用、住宅リホーム費用などの支出は含まれていません。

ここでは、必要な老後資金は、
(毎月の生活費 - 毎月の収入)×老後の生活期間+その他の支出
で表現しています。

2022年の総務省統計局「家計調査年報」では、
65歳以上の無職の老後に必要な1ヵ月の生活費は、単身:15万5495円、夫婦2人:26万8508円
65歳以上の無職の1ヵ月の収入は、単身:15万5495円、夫婦2人:26万8508円
です。
この計算では、不足額は、単身の人で2万2270円、夫婦二人で2万590円となります。

一方、介護にかかる費用は、生命保険文化センターの調査結果(2021年度)から試算しています。介護期間の平均は5年1ヵ月で、介護費用の平均は月8万3000円。また、住宅改修や介護ベッドの購入にかかる一時的な費用は平均74万円でした。この結果から介護費用の総額を580万円と試算しています。これは一人当たりなので、夫婦では1160万円です。思いのほか、介護費用が掛かるのに、驚きました。あくまでも平均値ですが、肌感覚としてはそれほど外れていない金額と思います。

上記の前提で、寿命を女性平均の87歳とした場合、65歳からの22年間で試算してみます。

不足額2万590円×22年×12カ月 + 介護費用580万円×2人 = 554万円 + 1160万円 =1704万円

計算結果は、夫婦二人で必要な1704万円でした。だいたい、こんなものかと思う金額ですが、月々の生活費の不足分は554万円なのに対し、介護費用は1160万円と2倍以上かかるのは驚きです。いかに健康寿命を伸ばすことが、生活的にも金銭的にも重要事項であることが分かります。

もうすぐ60歳!定年前に確認すべきこと

定年前の一番の関心事は、サラリーパーソンの場合、やはり退職金でしょう。退職金もその額、もらうタイミング、もらい方(一時金、年金)と人それぞれです。一般的に、退職金が退職所得控除額に収まる人は一時金がベストです。まずは、退職金の基本的な知識を確認することが大切です。

ただし、退職金で厄介なのは、iDeCoをどうするかです。本書では、iDeCoの受け取り方は記載されていません。多分、iDeCoまでいれると複雑になりすぎるのと、法改正次第では、最適解が変わってします場合があるからと思います。まずは、本書で基本を確認し、応用問題は別途、確認した方が良いと思います。

定年退職~65歳の賢い「お金」の選択

ここでは、年金のもらい方と年金の増やし方に紙面を割いています。ここで押さえておきたいポイントはやはり、年金の「繰り上げ」「繰り下げ」をする前に絶対知っておきたい注意点です。これは、本書のPOINTが非常に分かり易いので、下記に引用します。

・年金を繰り上げ受給する場合、障害基礎年金や寡婦年金が受け取れなくなるリスクあり
・繰り下げ受給で年金が増えると、税金・社会保険料だけでなく、老後の医療費・介護費用も負担増の可能性あり
・加給年金は「厚生年金」に上乗せされる年金
・老齢厚生年金を繰り下げ受給すると加給年金は消滅するので要注意!
・加給年金をもらいたいなら、老齢基礎年金だけ繰り下げ受給すべし

本書では、このように、大切なことを分かり易く、簡潔に教えてくれるので、自分の年金や社会保険の知識の再整理に役立ちます。

65歳からの間違いない老後資産戦略

ここでは、65歳以降の失業手当である「高年齢求職者給付金」や65歳以降の社会保険加入の意外なメリットなどを教えてくれます。私は知らなかったのですが、「扶養親族等申告書」です。

年金の年額が、65歳未満で108万円以上、65歳以上で158万円以上で所得税がかかります。ただし、所得税は、家族構成や個人の状況により、税負担を軽減できます。具体的には、親や障害のある家族を扶養している場合などです。年金から所得税が差し引かれている人には、毎年9月ごろに、「扶養親族等申告書」が送られてくるので、よく確認して、所得税を軽減できるなら、忘れずに提出しましょう。

まとめ

年金と社会保険は、シニアにとって最優先事項です。ただし、非常に分かりにくく、法改正もあるので、最新の正しい情報の確認は大切です。今回は、節約看護師りょうさんのデビュー作の「マンガでかんたん!定年前後のお金の手続き ぜんぶおしえてください!」を紹介しました。非常に分かりやすい本なので、看護師りょうさんのユーチューブと合わせて、ご覧に頂ければと思います。

本日のシニアの生きるコツ
 年金と社会保険の正しい知識は、シニアの命綱!

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