今の世の中、良く耳にする言葉が健康寿命です。健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」ですが、2022年のデータでは、男性が72.57歳、女性で75.45歳だったようです。シニアの方々は、自分の年齢と比べ、まだ10年あるとか、5年オーバーしたがまだまだ健康とか、世の中の平均値と比べ、安堵したり不安になったり、していませんか。そんな中、かつては受験勉強本で名をはせ、最近は、「80歳の壁」(幻冬舎新書)でベストセラーをかっ飛ばした和田秀樹先生。最近、老人本を多発していますが、その中の1冊を参考にシニアの健康について考えていきたいと思います。
「60歳からはやりたい放題」
「60歳からはやりたい放題」(扶桑社)。威勢の良い題名であります。還暦を迎えたばかりの私にはとっておきの本だと思い、手に取りました。その章立てを下に示しますが、なかなか興味深くありませんか?
第1章:60代以降は「嫌なことはやらない」
第2章:好物を食べれば脳も体も健康に!
第3章:「新しい体験」で前頭葉も活発に
第4章:良い医師や病院の選び方とは?
第5章:「認知症、うつ病、ガン」を怖がりすぎない
第6章:嫌な人と付き合うよりは孤独でいい
第7章:お金使うほど幸福感は高まる
第8章:60代からこそ、人生を最高に楽しめる!
日本人は、年を取ればとるほど、健康やお金の心配から、節制をして老後に備える人が多いが、筆者は,「やりたい放題」に生きることが、若さを保つ秘訣と訴えています。和田秀樹さん(ここからは、さんづけで行きます)は、ご存じの方も多いと思います。1960年生まれで東大医学部を卒業し、老人医療に長く携わっているお医者さんで、多数の著書を世に出しています。結構、極端なことを言う方と思われがちで、敬遠される人もいるかもしれませんが、この「60歳からはやりたい放題」の出版時、和田さんは62歳であり、60歳までの自分の人生ないし診療経験を踏まえ、生活感のある実感として書いたのかなとも、思えます。
この本の論調は、60代以降の人生を楽しむためには「嫌なことはやらない」、逆にいうと「自分らしくすきなことをやってみる」です。どこまでできるかは人それぞれですが、シニアの生き方としてのヒントになると思います。また、具体的には、次作の「60歳からはやりたい放題[実践編]」に詳しいです。
好物を食べれば脳も体も健康に!
色々な切り口で「やりたい放題」について語っていますが、今回は、食べ物について考えていきます。和田さんは、ラーメン大好き人間で、何と、毎週、4,5回、気になるお店に行って、食べておられるようです。一般的には、油や塩分の取り過ぎと思われますが、医者である和田さんは、脂肪がないと「脂肪が燃えない」とか、塩分不足は集中力が低下し車の運転に注意と述べています。医者でない私はその真偽は分かりませんが、ラーメン好きにとっては心強い言葉でしょう。私の好物と言えば、天丼です。お昼の外食で、ビールを飲みつつ、天丼を食する。これは人生最大の至福の時です。
和田さんは、「小太りのほうが長生きする」、「肉を食べ過ぎを気にしない」や「食べたいものは、体が欲しているもの」等々、健康のため食事を制限しているシニアには、心強い言葉が満載です。流石、和田秀樹です。
しかしです。和田さんは医者です。高血圧であるけどあまり下げ過ぎていると、頭がぼんやりするので、通常値まで血圧を下げる薬でなく、若干、高めになるように調整しているとの記載がある通り、医者の場合、自分の体調を把握して、処方できます。医者と同じことを、一般人ができるかの疑問が浮かびます。ここで、ストイック派の登場です。
食事は節制あるのみ。ストイック派の意見。
私の気持ちが「やりたい放題」に傾くなか、それに大きくブレーキをかけるのがストイック派の妻です。毎朝、体重を測り、食事は健康にいいものを食するがルーティンです。最近は本やユーチューブで得た知識をもとに、テレビの健康番組に対して上げ足コメントを連発する次第です。このため、家での食事は健康そのものです。ただし、ブームがあります。ごはんで言うと私は純粋な白米がいいのですが、玄米になったり、あるときは黒い豆が入っていいたり、はたまた、もち米(?)が一部入っていたりと、落ち着きがありません。お魚は種類が豊富ですが、肉は基本的に鶏肉、それもささみがメインです。牛肉は子供が来る時と私の誕生日くらいです。まさしく、昭和の子供時代に戻った感覚を覚えます。
和田さんの本に戻りますが、私が「60歳からはやりたい放題」をみせて、こんな本もあるよと教えても、一瞥しただけで、「和田秀樹は極端すぎる。あなたは、そんなの信じるの?」とまさに、宗教戦争の様相を呈しました。ストイック派から見ると、この本は、焼いてしまえと 思えるようです。
そうは言っても、妻はストイック原理主義者ではなく、たまにはケーキや私が食べようとしていたカップラーメンに手を付けることもあります。「食べたいものは、体が欲しているもの」の一面がここにあるような気がします。
まとめ
食事については、「やりたい放題」と「ストイック」の両極端でなく、自分の健康状態と自分の体が欲しているもののバランスをとりつつするのが、現実的とは思います。そうは言っても、楽しみを無理に抑制するのも、精神的によろしくないかと。一度しかない人生の折り返し時点、悩ましいですね。
本日のシニアの生きるコツ
そうは言っても、たまには、やりたい放題!!!
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